日本の小麦粉のこと

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日本の小麦粉は『灰分の量』『たんぱく質の量』で分類されます。

 

 

小麦粉の種類による灰分値の質量の比較

灰分値 分類
0.3~0.35% 特等粉
0.35~0.45% 1等粉
0.45~0.65% 2等粉
0.7~1.0% 3等粉
1.2~2.0% 末粉(すえこ)

 

では、まず

『灰分(かいぶん)』とは何でしょうか?

灰分率(Taux de cendres)とは100gの小麦粉を900℃で1時間半焼いたときに残る灰の量のことです。
高温で小麦粉を焼くため、タンパク質などの成分はすでに焼けてなくなりますが、ミネラル分が灰となって残ります。つまり、灰分はミネラル量を示しています。
カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル分(無機物)が、この灰の成分です。
つまり、灰分率が高いほど外皮や胚芽部分が含まれておりミネラルが多く割合が低いほど胚乳部分の純度が高く、より白い小麦粉となります。

 

 

日本の小麦粉の種類によるたんぱく質の質量の比

タンパク質の量 分類
11.5~14.5% 強力粉
10.5~12.0% 準強力粉
8~10.5% 中力粉
6.5~8.5% 薄力粉
11.5~12.5% デュラム粉

Image result for protein※パンで言うと、たんぱく質の量がわずか違うだけで、ボリュームや食感に差が出ます。その為、日本では、たんぱく質が含まれている量によって小麦粉を分類しています。

 

 

 

 

 

日本の小麦粉の分類と用途

特等粉 1等粉 2等粉 3等粉 末粉
強力粉 パ ン パ ン パ ン グルテン(麩)、デンプン
準強力粉 パン、麺 パ ン、麺 パン グルテン(麩)、デンプン 合板、飼料
中力粉 菓子、麺 菓子、麺 菓子
薄力粉 菓子 菓子 菓子
デュラム粉 マカロニ マカロニ スパゲティ

 

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等級は、小麦粉の胚乳部分にある灰分の含有量によって分類されます。
胚乳の中心部は灰分が少なく、外側にいくに従って多くなっています。
灰分が少ない方が色が白くなりタンパク質量も少ない上級粉となり、灰分が多くなると茶褐色でタンパク質量が多い下級粉となります。

小麦粉は品質によって等級に分類されていて、その等級により使用目的も大きく変わってきます。たとえば、同じ強力粉でも1番品質の良い「特等粉」は主に高級なパン類に利用されていますが、外皮の混入の激しい「三等粉」は小麦粉としてより、タンパク質だけを取り出し、麩の原料として利用されています。

 

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日本が輸入している主な小麦粉の種類と原料小麦の銘柄

 

強力粉・準強力粉

カナダ産ウエスタン・レッド・スプリング小麦
アメリカ産ダーク・ノーザン・スプリング小麦 アメリカ産ハード・レッド・ウインター小麦

準強力粉 オーストラリア産プライム・ハード小麦
中力粉 オーストラリア産スタンダード・ホワイト
日本産普通小麦
薄力粉 アメリカ産ウエスタン・ホワイト
デュラム粉 アメリカ産(ハード)アンバー・デュラム
カナダ産ウエスタン・アンバー・デュラム

 

国産の小麦粉はほとんどが中間質小麦から作られる中力粉です。そのため、日本でパン作りのために使用される小麦粉(強力粉)のほとんどは外国産のものです。

 

国産のパン用小麦の品種

北海道  ハルユタカ 北海道産のハルユタカから作られる小麦粉は比較的グルテンが豊富な強力粉です。デリケートな品種で品質も安定しないなどの理由で生産量が減っており、幻の小麦といわれています。
北海道 キタノカオリ キタノカオリは2003年に北海道で開発された秋撒きの小麦です。キタノカオリの吸水率は70%弱。これは、外国産の質が良いといわれている小麦の70%弱と同程度の数値で、日本産の平均は60%弱を大きく上回っています。
北海道  ゆめちから 2010年に開発されたゆめちからは、優れた製パン適正を持つ小麦です。ゆめちからから作られる小麦粉は超強力粉で、2008年には北海道の優良品種に採用されました。
北海道  春よ恋 「ゆめちから」と並ぶパン用小麦の筆頭格です.春よ恋は、”はるゆたか”をより育てやすく、よりおいしく改良して、1997年に北海道で生まれた品種です。「ゆめちから」よりも少し古い品種で、日本初の民間育種の品種です.
北海道 はるきらり 春よ恋の後継品種として注目されています。春よ恋よりも香り味ともによく、きめが細かくしっとりやわらかなパンに仕上がります。
北海道 はるひので はるゆたかに代わる新品種として1986年、北海道地域の春播き品種として開発が始まった。製パン適性には優れるが、外麦よりは劣り、生地の吸水は多いが生地がやや弱くだれる傾向があります。
青森・岩手・秋田・山形・宮城・福島 ゆきちから 東北は岩手で2002年に開発されたゆきちからは、パン用の小麦として生まれた秋蒔き小麦で、その名の通り雪に強く、冬の間に育てることで天敵の虫が減り、少ない農薬で育てることが出来る、体にも地球にも優しい小麦です。
秋田 ハルイブキ ハルイブキは耐病性及び高製パン適性を育種目標に, 1989 年5月東北農業試験場 (現 東北農業研究センター) において、開発が進められた品種。耐倒伏性・耐病性が強く、多収で、製粉性がやや優れています。製パン適性はやや高く、他品種とのブレンドにより製パン適性の向上が期待されます。
長野 ユメアサヒ ユメアサヒは、他のうどん用の小麦と比べるとタンパク質含有量が非常に高く、グルテンの粘りが強靱で、それこそがパンを作るのに最適です。香りも良く、かみしめると小麦の甘みが広がるのが特徴です。
長野・埼玉 ハナマンテン ハナマンテンで作るパンは口溶けが良く、小麦の豊かな風味ともちもちとした食感を強く出せることが魅力。栽培に難しさがある品種ですが、農薬や化学肥料にあまり頼らない、エコで安全な栽培ができることは、ハナマンテンの大きな魅力です。ですがもともと製麺用に開発された品種なので、栽培同様にパン作りをする際もコツが必要な小麦粉のようです。
長野・栃木・茨城 ゆめのかおり パン用小麦粉のために作られた品種のため、コシが強くて吸水性が良く、しっとりとした生地になります。ふんわりとして、ボリュームのある、風味豊かなパンに焼き上がります。
京都・山口・三重・佐賀・熊本・大分 ニシノカオリ ニシノカオリは、九州農業試験場で1999年に育成されたパン用小麦品種で、暖地や温暖地でも硬質系小麦の栽培が可能なことを示した先駆的品種と言えます。
関東地方 ユメシホウ

「ユメシホウ」は 1997 年より関東で作れるパン小麦として開発され、「ニシノカオリ」より製パン性に優れています。

広島・福岡・熊本・大分・長崎 ミナミノカオリ ミナミノカオリは製パン適正が良い強力粉で、アルゼンチンの小麦品種を親に持ち、西日本でも栽培できるパン用の小麦です。西日本初のパン用小麦、ニシノカオリに比べて製パン性が大幅に改良されました。
全国各地 農林61号 農林61号は、非常に古い品種で関東地方の地粉で普通小麦と呼ばれている中力粉。ニシノカオリに比べてたんぱく質の量が少なく、製パンには難しい粉とされています。

 

国産小麦の需要が高まってきたのには、

 

  • 日本人好みの味と食感
  • 「食の安心、安全」への意識が高まった
  • 改良され作業性が良くなった
  • 選べる種類の多様化
  • 外国産小麦との価格差がなくなってきた

 

などの理由が挙げられます。

 

 

また、国産小麦の特徴としては、

 

  • 国産小麦は外国産小麦に比べて吸水が良くない。
  • 国産小麦は小麦の風味が豊かで甘みがあり、食感はもっちりしている。
  • 国産小麦は外国産小麦よりグルテンが少なく灰分が多いので、べたつきやすい。

 

などがあります。

 

 

ですが、近年、『ゆめちから』や『ハナマンテン』などの「超強力粉」も登場し、国産小麦の製パン性は急激に進化しました。

 

ですが現在、日本の小麦の自給率は10~15%。

 

なぜならそれは、日本は梅雨があり、気候風土的には小麦栽培に向くとは言い切れないからです。

 

国産のパン用として使用されている原料小麦は、主に北海道産が主流です。関東地方では、パン用小麦を作付けすると、収穫期が梅雨時に重なるので、倒伏したり、赤かび病の発生頻度が高い等の栽培には厳しい課題があるからです。

 

「国産小麦でできたパン」は、昭和の時代から沢山の人達が取り組み、平成になってようやく花開いた文化でした。今現在、私たちが当たり前に手にしている国産小麦はこの小麦の育てにくい日本という土地柄に挑む日本の農家の人たちの涙ぐましい努力と苦労の結晶なのです。

 

また、同じ地域で育っても、同じ品種でも、小麦によりさまざまです。まして、年産の差は大きく、その年の気候で成分が全く違ってきます。この難しい環境で安定した小麦粉を供給してくださる農家の方々に感謝しながらパンを作っていきたいものです。

 

 

 

 

日本で手に入る国産小麦粉とメーカー