パンの基本の材料について

 

みなさんも普段パンを作られる、または今から作りたいと思っている方なら聞いたことがあると思いますが、パンには最低4つの材料が必要です。

 

 

小麦粉

イースト(酵母)

 

この4つですね。

 

今回はパン作りに欠かせない4大材料についてお話ししたいと思います。

 

 

まず、パンの造りの構造について簡単にお話ししますと、

 

小麦粉が水と出会い小麦特有のタンパク質(グルテン)が生まれます。そして、そこにイースト(酵母)が加わることで発酵を始め、それに塩が加わることで、風味をつけると共に、生地のつながりを強くしてくれます。

 

     小麦粉のおはなし

 

 

小麦は表皮(BRAN)、胚芽(GERM)、胚乳(ENDOSPERM)の三部構成になってます。

 

私たちが普段よく使用している白い小麦粉は外皮や胚芽を除いた胚乳の部分だけを挽いたもので、小麦の一粒の約83%を占めています。

 

よく小麦粉の表示に『灰分(かいぶん)』という言葉を聞くと思いますが、これは外皮に近い部分や胚芽部分がどれだけ含まれているかという指数です。灰分が少ないほど『一等粉』(約0.3〜0.4%)と呼ばれ、高級とされますが、表皮や胚芽はとても栄養価が高く、またパン本来の豊かな風味を持っているのでハースブレッド(直焼きパン)などによく利用だれています。

 

最近では日本でも国産の良質な小麦がとても手頃な値段で手に入るようになりました。

ですが、日本で使用されている小麦粉は90%は海外から輸入されています。そのうちアメリカ産が50%、他カナダ産、オーストラリア産、フランス産などです。

 

日本は世界で上位5カ国に入る小麦輸入国なんです。

いかに国内の小麦が貴重かわかりますね。

 

そして日本では、小麦はたんぱく質の質や量によって分類されます。

 

硬質小麦 たんぱく質が多く、粘弾性がある。パンや中華麺向き。
中間質小麦 たんぱく質の含有量は中くらいで、うどん(ゆで麺や乾麺)など向き。
軟質小麦 たんぱく質が少なく適度にやわらかいため、料理、ケーキやお菓子向き。
デュラム小麦  パスタ麺用。柔軟で弾力性の強いグルテンを豊富に含むため、加工するとコシと強い食感に。もともと黄色味を帯びている。

 

そして、小麦粉は含まれるたんぱく質の質と量によって

 

強力粉・中力粉・薄力粉

 

という風に振り分けられています。

 

グルテンの量が多くて粘度が強い、粒子の荒いものほど☞強力粉(約11.5〜14.5%)*

グルテンの量が少なく粘度が弱い、粒子の細かいものほど☞薄力粉(約6.5~8.5%)*

この中間を☞中力粉(約8.0~10.5%)*

としています。

 

もちろん基本的にパンに使用するのはこの『強力粉』です。

フランスパン専用粉なども近年では『準強力粉』(約10.5~12.0%)*に属します。

*たんぱく質保有量

 

これを基本にパン職人は焼きたいタイプのパンにあった小麦粉選びをしているのです。

 

 

誰も教えてくれなかった プロに近づくためのパンの教科書

 

 

     水のおはなし

 

 

 

水はパンを作る上で材料をまとめるリーダー的存在です。

小麦粉は水を得ることでグルテンを生み、イーストは発酵をはじめ、塩は水とともに全ての材料とバランスよく交わり、パンの風味を引き立たたせると共にグルテンを引き締め生地を強くします。

 

どんな水を使うのか?

 

答えは『あなたの選んだ水』です。

 

水にも種類があります。

 

みなさんお水を飲むときに『硬水』と『軟水』の差はわかると思います。

『硬水』→ 硬い水、『軟水』→ 軟らかい水、つまり『硬水』は『軟水』より生地を引き締めるんです。

これを考えるとイタリアに無塩パンが作りやすい理由がわかりますね。

(塩のおはなしより↓)

 

  • 塩なしパン作りたいから『硬水』を使いたい。
  • ミネラルを少しでも家族にとって欲しいから『硬水』を使いたい。
  • 柔らかいパンが食べたいから『軟水』を使いたい。
  • フランスのパンだから、フランスの水を使いたい。
  • 屋久島の『縄文水』のパンが作りたい。

 

それはどんなパンを作りたいかで、選択肢は自由だと思います。

 

フランスのパンだから日本の水で作ったら美味しくないなんてことはありません。

 

いつものパンの水を少し変えてみる。

パンはそこに新たな発見があったりします。

 

私の思想としては、パンは自由なんです。

 

毎日作ってて思うのは、誰かが決めた『正解』は全ての人の正解ではないと思うんです。

 

ある主婦の方がおうちで子供達に食べさせてあげたいと焼くパンもフランス人の有名パン職人が焼くパンも『パン』なんです。

 

同じ粉で同じイーストで同じ塩を使っても水が違うと生地が変わる。そういう化学反応を楽しむのもパンのいいところなんです。

 

パンってそういう私たちの生活に常にそばにある空気みたいな存在であってほしいそう思っています。

 

だからその人が使い水でで作りたい作り方で作ったパンがあなたの『パン』なんだと思います。

 

ただひとつだけ、最近健康志向で『アルカリイオン水』というのがありますが、水にもph(ピーエイチ)がありpH9を超えるアルカリ性の水は下痢を起こしやすくなったり、胃酸の殺菌作用が弱まることもあると言われているので、摂り過ぎには注意をする必要があります。

 

つまり、ここでいう水の選択肢は、あくまで飲料水としての範囲内ということをお伝えしておきます。

 

 

 

     イースト(酵母)のおはなし

 

 

イーストとは?英語で「酵母(こうぼ)』のことです。

 

パンはパンイースト(酵母)、ビールはビールイースト(酵母)、ワインはワインイースト(酵母)で作られていると言うことです。

 

よく「イーストは添加物なの?体に害はないの?」と聞かれることがあります。

 

答えは『悪くない』です。

 

私たちが普段使っているイーストは自然界に存在するパンに一番適した菌だけを人工的に培養したもので、水洗いし水切りしたものが生イースト、低温で長時間乾燥させたものがドライイーストです。

つまり、市販されている天然イースト(酵母)も野生酵母を培養して乾燥させたものということです。

 

しかし、この『人工的』という部分にあまりいいイメージを持たれないのだと思うのですが、難しい話をすると、

 

イーストに使用されている菌はサッカロミケス属(Saccharomyces)という種類のシゾマッカロマイセス属Schizosaccharomyces)といパン、ワイン、ビール等を製造するのに不可欠な酵母なのです。

 

このサッカロミケス属(Saccharomyces)という種類の中には医療品をつくる為に使われる種も含まれるとても重要な菌類なんです。

 

この菌が発見されてから、私たちは美味しいパンやビールやワインが気軽に手に入るようになったのですね。

 

イーストには種類としては大きく分けると、

 

  • 生イースト
  • ドライイースト
  • インスタントドライイースト
  • 天然酵母(ドライ)
  • 天然酵母(自家製)

 

などがあります。

 

それは作りたい生地によって相性があります。

 

そして、パン作りにおいてイーストが活動するのには快適な温度・水分・酸素が不可欠です。

その条件が揃った時に、イーストは糖分を餌に活動を始めます。

その活動がパンを作ってくれるのです。

 

でも一つ疑問に思われるかもしれません。

 

「なぜ砂糖を入れないパンでもイーストは活動できるの?」

 

答えは簡単です。

何故なら、小麦粉は100g中、約70%が糖質なのですから。

 

ですが、私たちはこのような場合、よくモルトエキス(麦芽のエキス)を使ってパンの色や風味をよくし、イーストの働き少しお手伝いしてあげます。

 

イーストは小麦粉の糖質とモルトの糖質を餌としながら、すくすくパンを育ててくれるのです。

 

可愛いんです。パンは『生き物』だなって思います。

 

イーストはパンにはなくてはならない存在です。

 

 

 

     塩のおはなし

 

 

塩は味に関係するだけでなく様々な働きをしてくれます。

 

まず素材の味を引き立て、生地を引き締め、骨格を強くし、また菌の繁殖を抑制します

これにより、酵母の働きを緩やかにし、また、パンに美味しそうな焼き色を与えます。

 

本当に塩を忘れたパンは窯のびも悪く、色もつきにくく、発酵も早く、何より味の悪いパンになります。

 

私が掛けでしの頃、初めて塩なしパンを食べた時、「水を飲んでる方が味がするかも」と思いました。

 

しかし、世界には伝統的な『塩なしパン』が存在します。

 

イタリアのトスカーナ地方には有名な『Pane Toscano(パーネ・トスカーノ)』があります。このパンの発祥の由来は諸説あり、しっかりした味のトスカーナ料理とバランスを取るため、あえてパンに味をつけなかったとする説や、塩の入手が困難な時代にできたという説もあります。

 

他にも、最近の健康ブームで塩を取れない方向けに『無塩パン』なども販売されていますが、やはり塩の入ったパンを食べ慣れている私たちには少々物足りなさを感じるでしょう。また少しでも食べやすいようにと、砂糖や植物油などの副材料を使用している商品が多いです。

 

つまり普段、私たちが食べているパンには必要不可欠な存在です。

 

また塩といっても世の中にはいろんな種類の塩が売られています。

 

大きく分けると、

 

  • 自然塩
  • 精製塩
  • 再生加工塩

 

があります。

 

自然塩には、『海水塩』『岩塩』『湖塩』の3種類があります。

 

4方を海に囲まれた日本において、国産の塩の大半は『海水塩』です。

 

海水塩

ミネラルが豊富でまろやかな味わいのものが多いです。
岩塩 は塩味が濃い目で地中からのミネラルや有機物が入り込むため、色もさまざまです。
湖塩 ミネラル分が適度に、バランス良く含まれています。

 

自然塩と精製塩、再生加工塩の大きな違いは、

  • 自然塩 → 天然のミネラルを含む
  • 精製塩 → 原塩(主に輸入塩)を溶解し精製したもので、塩化ナトリウムが99.5%以上の高純度のもの、また海水からイオン交換膜透析法で塩の成分を濃縮する塩化ナトリウム99%以上のもの(食塩)、つまりほぼミネラルは取り除かれている。
  • 再生加工塩 →「食塩」や輸入した「自然海塩」などを溶かした後にニガリやミネラルを添加して再び結晶化したものです。天然塩ではありませんが、天然塩に近いミネラルが含まれています。

 

どんな塩がパンに向いているか、特に決まりはないです。

 

しかし学校の授業では『塩化ナトリウム保有量90%以上』と教えられるかもしれません。

それは化学的な目線での話で、パン作りにおいて有効な成分が『塩化ナトリウム』つまり食塩なのです。

 

しかし、それ以外の成分は不純物でしょうか?

 

ミネラルは『栄養』であり、『旨味』でもあります。

 

ミネラルの役割としては、

 

  • 塩化ナトリウム・・・塩辛味
  • 硫酸カルシウム・・・ほのかな甘味
  • 塩化マグネシウム・・・うまい苦味
  • 硫酸マグネシウム・・・コクのある苦味
  • 塩化カリウム・・・キレのある酸味

 

をパンに与えます。

 

わたし個人的にはやはり旨味のバランスを程よく含んだ『天然塩』、またはそれより安値な天然塩ににがり(海水)を使用した『再生加工塩』をお勧めします。

 

 

  

こちらのショップではAustria Shark Bay(オーストラリア  シャークベイ)(世界遺産)の天日塩(自然塩)徳島県鳴門市産の『うず塩』(濃縮塩)をかなりお得なお値段で販売されています。セットで買えばよりお得で、どちらが欲しいか選ぶ事ができます。

天然塩(天日塩)うず塩(濃縮塩選べる1kg×2個

価格 460円(税込)

 

この4つの材料の他に、糖類、乳製品、油脂、たまごなどの副材料を加え、パンに甘みや風味をつけたり、柔らかさやボリュームを出して、変化に富んださまざまな味わいのパンを作ることができます。